運ていにぶら下がっている何人かの小さな影から始まるその映画は、異なる国にまたがったある地域(いや、ある地域に、建てられた異なる国か)に暮らす子どもたちの生活を追ったドキュメンタリーであり、その時点での彼らの証言、出会い、対話がおさめられ、最後に彼らが交わした思いにちなんで、タイトルは『プロミス』と名付けられている。
大学に入ったその年に、学内で無料上映されていて、正門でビラを受け取ったその足で見に行った。
その地域について僕は何も知らなかったし、見終わってからも、長い間それ以上の具体的な知識が増えることはなかった。億劫だったのはもちろんだが、あんまり遠い出来事で、ただ一遍のファンタジーを観賞したような気になっていたのだ。
それから一年半後、私たちは『カノン』という芝居を上演した。
そこにはほんの少しだけ頭のおかしい映画監督と、異なる国に住む何人かの子どもたちが出てくる。
戦争をめぐる寓話であり、今振り返ってみれば役者は明らかに技術が足りなかったし、そのストーリーの稚拙さに呆れもするが、その後、本公演と銘打って送り出すものはみな、等しくその主題の周辺をめぐっている。
今度もそうなるだろう。
だったらもう一度真っ正面から当たってみよう。
嫌気がさすくらい、吐き気がするくらい、凝視し、向き合い、倒れてみよう。
自分の持つものをすべて放ろう。
あれから手に入れたものをぜんぶ使おう。
それでも描き損ねるだろう。
それからだ。


夢幻劇の傑作、メーテルリンクの「青い鳥」に題を借り、世界の政治の最深部へと駆け降りる。

窓を開けよう。青い鳥を空へ帰そう。

2007年第一弾。雪解けの季節に820製作所が送る、渾身の一作。ご期待ください!

波田野淳紘